2012年9月6日木曜日

大阪880万人訓練、緊急速報はなぜ届かなかったのか

昨日5日、『大阪880万人訓練』が実施された。


これは南海トラフ地震を想定した訓練で、午前11時にエリアメール(auとソフトバンクでは「緊急速報メール」)が一斉配信された。

私もこの訓練のことはニュースで見ていて、何となく「勝手に携帯が鳴ったがどういうことだ」とかいう苦情がたくさん来そうだな、などと考えていた。

しかし、実際はその逆だったらしい。

大阪地震訓練:「メール届かない」…問い合わせ1000件- 毎日jp(毎日新聞)

11時にメールが届くのを待っていたのに、実際には届かなかった・・・という苦情が相次いだらしい。
この件についての報道を見ていると、いくつか問題点が浮かんでくる。

1.単純に「対応機種が少ない」だけではない


上の記事を見ても「受信できない機種があることが十分周知されていなかった」と書かれているが、実はただ単に「エリアメール/緊急速報メールに対応している機種が少ない」ということではなかったのだ。

実はエリアメール/緊急速報メールには、3種類の配信内容がある。
  • 緊急地震速報
  • 津波警報
  • 災害・避難情報
このうち緊急地震速報と津波警報は気象庁から配信されるもので、災害・避難情報は国や地方自治体などの公共機関から配信されるものだ。
そして、緊急地震速報は比較的早い時期に導入されたのに比べ、あとの2つはごく最近導入されたものである。
なので、この間に発売された機種の中には「緊急地震速報には対応、あとの2つは非対応」という機種も当然存在する。

今回大阪府は「緊急地震速報を受信する訓練」として「災害・避難情報」を配信したわけだが、緊急地震速報は受信できても災害・避難情報は受信できない機種が多数存在したため、混乱に拍車をかけてしまった。

「以前、携帯で緊急地震速報を受け取ったことがあるが、今回は鳴らなかった、どういうことだ」というわけだ。

これについて、3キャリアの「緊急地震速報は受信できるが災害・避難情報は受信できない」機種を調べてみた。

対応機種 | サービス・機能 | NTTドコモ
ドコモの場合、これに当てはまるのは意外にも最近のスマートフォン数機種で、あとは905iといった古いガラケーも災害・避難情報に対応している。

対応機種:緊急速報メール(緊急地震速報+津波警報+災害・避難情報) | ソフトバンクモバイル
ソフトバンクの場合、主力のiPhone4と4Sがこれに当てはまる。Androidは災害・避難情報にも対応しているものが多い。

対応機種一覧 | 緊急地震速報 | au
災害・避難情報 | 緊急速報メール | au
auも、iPhone4Sがこれに当てはまっており、Androidはほとんどの機種が災害・避難情報にも対応している。


2.通信中は受信できない


これは以前「ドコモの新災害対策をイオンSIMユーザの視点で読む」でも書いたが、通話中、パケット通信中、Wi-Fi接続時はエリアメールは受信できない。

11時にたまたま通話していた人、ウェブブラウズしていた人はもちろんだが、例えばカバンに入れっぱなしで特に何もしていなかったという人でも、端末がバックグラウンドで通信していたら、当然エリアメールは受信できなかったはずだ。


3.電子メールと勘違い?


これは特に報道されていないようだが、今回大阪府が配信したメールを「電子メール」と勘違いしていた人も、相当数いたのではないかと予想する。

特に、自治体が配信する防災メールサービスの類に登録している人の中には「役所から直接メールが来るのかと思った」という人もいるのではないだろうか。


「エリアメール/緊急速報メール」を使って災害情報を配信する際の問題点が、これだけはっきり分かったのだから、今回の訓練は実施した価値があるだろう。
特に今回の周知では「マナーモードでも携帯が鳴る」というところが強調され、「対応していない機種もある」「通信中は受信できない」「電子メールとは違う」というところは、あまり周知されていなかったのではないか。

配信する自治体側の人も、受信する私たちも、このようなことを知るいい経験になったと思う。